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CRMと不動産案件管理の違い
Summary
CRM(顧客関係管理):営業に特化した一般的なソリューションです。個人や会社間の営業のやり取りを管理し、顧客情報や顧客とのやり取りをトラックできます。また、情報はチーム内で管理します。
不動産案件管理:不動産事業のワークに特化したソリューションです。不動産情報や不動産取引情報の管理や分析ができ、不動産取引のワークフローの管理も行えます。チーム内の情報提携だけでなく、様々なシステムや人と情報共有できます。
Contents
CRMと不動産案件管理について
CRMと不動産案件管理の主な違い
基本的な機能設計
情報連携やアクセス権限
タスクとファイルの管理
関連ツールとの連携
レポートとデータの見える化
導入とサポート
CRMと不動産案件管理について
会社に導入するソフトウェアを探しているのならば、CRMと不動産案件管理の違いを理解する必要があります。簡単に説明すると、CRMは営業段階での個人や会社間のやり取りを管理するソフトウェアで、不動産案件管理は不動産の案件情報や取引情報を集め分析するソフトウェアです。
どちらも不動産ビジネスにおいて役に立ち、必要ですが、使用目的によって使い分ける必要があります。
CRMと不動産案件管理の主な違い
以下はCRMと不動産案件管理の主な違いを6つの観点から比較しました。
1. 基本的な機能設計
CRMは顧客とのやり取りを管理・記録するのに適しています。顧客の電話番号や最後に商談した日時を管理します。一方、不動産案件管理は用地・案件情報やその履歴管理に適しています。用地や収益物件に関する情報管理や、対象案件の調査・分析、その稟議資料作成支援を行えます。
2. 情報共有やアクセス権限
不動産投資は様々な会社と連携し多くの情報を参考にする必要があり、社内の他チームやパートナー企業等とのスムーズなやり取りが重要になっています。しかし、CRMはチーム内の情報管理のみであり、チーム外の人はその情報を確認することはできません。CRMソフトウェア内の情報を共有する際には、データやファイルをメールで送信しなければなりません。これは非常に非効率で情報漏洩のリスクが増加します。
これに対し、不動産案件管理ソフトウェアはチーム内外で情報共有を行うことができます。不動産投資では取引の際に、会社内外の関係者と協力することが必要です。それに伴い、重要な情報を守るため、人それぞれ異なる情報のアクセス権限を与えることがあります。不動産案件管理ではこれを可能にし、これによってデータの機密性を確保することもできます。
3. タスクとファイルの管理
不動産の投資や開発は、その業務自体が非常に特殊かつ複雑なため、その業務に特化したプロジェクト管理が必要となっています。CRMが解決する問題は、顧客との連絡のやり取りを管理できるようになることであり、広い範囲のファイル管理が必要となるようなタスクを達成するためのソリューションは想定していません。
一方、不動産案件管理ソフトウェアは、各メンバーが担当している案件やその関連資料の”見える化”を進める上で必要な機能が、その業務に沿ったかたちで備わっています。
4. 関連データとの連携
営業・経理・法務等に関わる様々な資料や業務が電子化されている今日において、すべての業務を1つのソフトウェアで完結させることは現実的ではありません。そのため、それらの業務に関連する情報を十分に不動産投資判断に活用するためには、複数のソフトウェア間の連携が必須です。
CRMは多様な業界の営業チームに向けた一般的なソリューションのため、不動産関連データとの連携はあまり得意ではありません。不動産関連情報をCRMで管理しようとすると、追加の情報をいちいち手入力する必要があります。さらにCRMのデータを他のツールに移す際には、自動的な連携が困難で、担当者が手動で連携する必要もあることも多いです。
不動産案件管理ソフトウェアは、担当者が手入力する必要もなく、また元々会社が有していたデータや他システムのデータの取り込みもできます。周辺相場や、不動産の取引事例、人口統計データや不動産の評価・査定ツールなどはすべて直ぐに利用できます。
5. 資料作成とデータの“見える化”
不動産投資に関する資料の作成には、多くの時間と労力がかかっています。データの収集や分析には時間がかかる上に、同じことの繰り返し行っていることが多くあります。
CRMは関連データとの連携に制限があるため、不動産投資に関する資料を作ることはできません。資料を作成する際は、入手した情報やミーティング等のデータを組み合わせて、Excel等にまとめることが必要になります。
しかし、不動産案件管理では、入手したすべての資料を管理しているので、Excelを使用することなく資料を作成することができます。さらに、資料作成に必要となる分析も簡単に行えます。また、作成した資料や資料に使用したデータ、分析はリアルタイムに共有することができます。
6. 導入とサポート
CRMと不動産案件管理の違いを述べてきましたが、導入時にも違いがあります。CRMはデータを集約し、実用的に運用できるまでに最低でも4~8ヶ月の期間が必要です。機能のカスタマイズが複雑であり、時にはコンサルタントにダッシュボードの設定等を依頼する必要があります。また、アップデートやアップグレード、メンテナンスにコストがかかることがあります。
不動産案件管理は数週間程度で運用することができます。不動産業界に特化ししているので、導入から運用までに時間がかかりません。
このように、不動産案件管理は実用的な機能を持ち、多くの情報を管理・共有できるため、生産性の高い業務を行うことができるでしょう。以下にCRMと不動産案件管理の違いを表にまとめてあります。